くらげさろん

とびっきりの台詞を探しています。映画はやっぱり劇場で観たい!こんな作品を観てきましたよっていう映画感想ブログです。ネタバレあり。

『ロング・ショット 僕と彼女のありえない恋』【映画感想・ネタバレ・見どころ・名台詞】

何一つあきらめなくたっていいんだ『ロング・ショット 僕と彼女のありえない恋』

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©2019 Flarsky Productions.

シャーロット(シャーリーズ・セロン)は才色兼備な米国務長官。

フレッド(セス・ローゲン)は一本気な性格が災いし失業中のジャーナリスト。

チャリティパーティーで遭遇した、接点のなさそうな二人。

実は旧知の間柄で、シャーロットは初恋の女性でもあった。

 

大統領選出馬を控えたシャーロットの陣営は、イメージ戦略に乗り出す。

スピーチライターとなったフレッドと、シャーロットは次第に惹かれあっていく。

ところが交際相手としてフレッドは不適格との烙印を押され…。どうなる(っていうかどうする)この恋!?

原題 "Long Shot"  

"LONG SHOT"とは期待薄とか勝ち目のない大穴という意味。

シャーリーズ・セロンとセス・ローゲンのラブコメディ。(下ネタ満載要注意。初デートでこれを選んだら気まずいこと請け合い

 www.youtube.com ©2019 Flarsky Productions.

見どころ 

何もかも備えている女性が、愛する人の手を取るのに何かを捨てて、という従来のパターンを脱し、何一つあきらめず全部手に入れて二人ともハッピーです!というのが爽快。

能力があって外見も素晴らしい女性は、なぜか大抵どこかに欠陥がある(性格に難あり、男運がない、片付けられない、大食い等々)ようにキャラクター造形されて「完璧な女性」で在ることを許されない。これってなんで?何のためのバランス?と、常日頃納得いかなかったのだけれど、シャーロットははっきりすっきり完璧で、そのもやもやを払拭してくれた。

シャーリーズ・セロンの説得力のある存在感

作品ごとに、太ったり(『モンスター』『タリーと私の秘密の時間』)丸坊主にしたり(『マッドマックス怒りのデス・ロード』)暴れまくったり(『アトミック・ブロンド』)と変幻自在のシャーリーズ・セロンが本来の美貌を遺憾なく発揮。

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©2019 Flarsky Productions.
セス・ローゲンの安定のダメ男、でもフレッドはダメじゃないけど

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©2019 Flarsky Productions.

セス・ローゲンと言えば『スモーキング・ハイ』や『スーパーバッド』の安定したダメ男が思い浮かぶ。彼の演じるダメ男はいつもちょびっといいところがある。本作のフレッドはかなりいい男。次第にジャンパー姿すらカッコよく見えてくる。ちなみにダメ男演技の頂点にいるのはウィル・フェレルだと思っている。こちらはずぶずぶにダメダメ。徹頭徹尾潔くダメ男。

 

世界を股にかけるスーパーモデルの恋人にはヒモ体質が多いと聞く。確かにお金はなくてもありあまる時間を捧げてくれる人は、うってつけなのかもしれない。だって欲しい物は自分で買えるし、忙しいときにちょっとだけ会いたくなって呼び出しても飛んで来てくれるし、ある意味需要と供給か。

シャーロットのお相手、フレッドはそのパターンではない。失業中で確かに時間はあるけれど、そもそも失職した理由は、勤務する新聞社が悪辣なメディア王ウェンブリーによって買収されたことへの抗議からである。大統領選出馬におけるイメージ戦略の一環としてユーモア度をアップするためのスピーチライターとして選ばれたのも、シャーロットがハイスクール時代シッターをやっていたというコネではない。彼の書いたコラムをシャーロットは読み込んで、彼の文才を頼ったのである。(脇道にそれるが、シッターというのは赤ちゃんを世話するだけではないのね。二人は3歳差でシャーロットがハイスクール時代だから最初「??」と思ったのだけど、留守番バイト的なものなら納得)

失業中といえどフレッドは、スピーチライターの仕事を当初、形骸化してしまう政治の世界に興味はないとびしっと断っている。けれど原稿を読んで助言はしてくれる。予告で金なし地位なしファッションセンスなしって、ないない尽くしのダメ男みたいに表現されているけれど、そんなことないんじゃないかな。自分の信念をびしっと貫いていてまさに「漢」って感じだ。

まあ、いっつもジャンパー姿ですけど。正装するもいまいち。でも似合うんだからジャンパーだっていいじゃないか。

好感度は交際相手によって高められるのか?

大統領選出馬を控えた陣営にとって、イメージ戦略は重要。ジャンパー着てる文筆家より、ぴしっとスーツの似合う首相でしょやっぱり、とばかり側近も国民もカナダ首相(左)をぐいぐい推してくる。

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©2019 Flarsky Productions.

パッと見冴えないフレッドだと支持率が下がり、色々「ちゃんとしてる」感満載のカナダ首相なら上がるのだろうか。しかし実際問題どうなんだろうね。美男美女カップルというのは釣り合いがとれて、第三者から見たら安心するのかも。逆パターンも含め「お似合い」が世間には溢れている。その法則を乱す分子(神々しいくらいの美形と普通の組み合わせ等)に対し、貶め排除しようとする人は一定数現れる。心をざわつかせるものが、きっと嫌なのだろう。個人的には、本人以外の要素はあまり好感度に影響していないような気がするけれど、うーん、どうかなあ。友達が極悪人や石油王なんかと親密交際してると知ったら見る目変わるかな。いやこれ激しく動揺するだろうけど、影響するのかな。うーん。

気に入った台詞

「TVから映画界に行って成功したのはジョージ・クルーニーとウディ・ハレルソンだけ」

執務中に自身の出演したTV番組の話ばかりしてる大統領。映画界に憧れていて、次期選挙は出馬しないことを告げる。成功者は二人だけと言われても、聞く耳持たず。

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©2019 Flarsky Productions.

この台詞にはもう1パターンあって、映画界で成功者は二人だけ~って話を側近たちとフレッドで聞くシーンがある。「ジェニファー・アニストンは?」って誰かの言葉へのフレッドの反応がこちら。

「ジェニファーは主役をやってるってだけだから、ちょっとね…」

それ言っちゃうか。ジェニファー・アニストン好きだけど。作品あまり観てないけど。いい人そう。『なんちゃって家族』の思いきりのよい演技、よかった。

 

あらすじを追いかけながら、もう一台詞

先程フレッドは信念を貫くと書いたけど、片やシャーロットも信念の人。高校時代から環境問題に関心を持ち続けている。ハイスクールの選挙ではリサイクルを訴えたが、2部制プロムを提唱した対立候補に負けたけど。

環境政策について、自分にいいように事を運ばせようと介入してくるメディア王ウェンブリー。大統領に働きかけて、シャーロットの政策の骨抜きを図ろうとする。

激務とストレスの中、酒場でちょっとした(いけない)息抜きをしていたシャーロットとフレッド。そんなとき人質事件発生!連れ戻されてハイテンションのまま電話交渉する羽目に。しかしながら犯人相手に大統領の無能さなど本音で語ってたらスピード解決。あらー。翌朝のインタビューでもハイなままだったけれど徹夜交渉のテンションだろうと世間は勝手に解釈してくれて支持率は更にアップ。

業を煮やしたウェンブリーは、フレッドのPCにカメラを仕掛け盗撮するという手段に出る。フレッドの恥ずかしい映像(もちろん下ネタ)を世間にばらまくと脅しをかけてきた。ぎゃっ。

シャーロットは取引し、環境保護政策の変更を飲む。側近たちは、フレッドの過去をクリーンにしてから世間にお披露目することを提案。フレッドは迷い、却下する。彼女は大切だけれど、自分の過去を、やってきたこと何もかもをなかったことにするなんてね…。

関係を終わらせようとしたフレッドを、親友ランスが説得する。「実は俺、共和党支持してるし、クリスチャンだよ。でも俺たち親友であることは変わらないだろ」的な意外と深いやり取り。フレッドは秘密裏に関係を続ける覚悟を決める。

ところがシャーロットは出馬表明の舞台で事実を告げてしまう。

「大統領に憧れていた過去の自分が、今の自分を見たら失望するだろうと思ったから」

この場面、すごく好き。誰に何を思われようと関係ない。大事なのは自分に恥じないで生きていくことだ

感動させておいた直後に、脅迫に使われたフレッドのハレンチ動画について「だってみんなだってするでしょう。ここはアメリカよ!」と叫んで退場。ぎゃー。でもよく言った!そしてもちろん、フレッドはシャーロットの元に駆けつけるわけです。

無事お披露目。二人は温かく世間に受け入れられる。そうして、そのもっと後。

"He's my Mister." "I'm her Mister. And she's my president." フレッドはファーストレディならぬファーストミスターとなってるよというおまけ付き。

どうでもいい備忘録

  • シャーロットといい感じになった後のフレッドが、ホテルの廊下で側近たちに鉢合わせ。まさかのお堅い側近たちができてた。それもドライな関係らしい。
  • スピーチ原稿を訂正してくれと言われ、そんな忖度許せないと激怒したフレッドはノートPCを雪の中に投げ込む。が、すぐ正気に戻り取りに行ったときの台詞「ボール一杯のお米ー!」。除湿効果?
  • チャリティパーティーのゲスト、ボーイズⅡメンを前にしてのシャーロットとフレッドのはしゃぎっぷり。世代か。